汗対策

よい汗をかける身体になろう

自己認知療法――人間の感情は考え方ひとつで変わる

汗には「よい汗と悪い汗」があることは聞いたことがあると思いますが、「太る汗とやせる汗」があることは初耳でしょう。
実は「良い汗悪い汗」という名前は、以前に「あるある大辞典」で、「太る汗やせる汗」というのは先日の「スパスパ人間学」で初めて使用した言葉です。

結論を言えば、よい汗は「やせる汗」であり、悪い汗は「太る汗」なのです。

ダイエットの目的は、体の貯蔵脂肪をミトコンドリアで「燃焼」させて二酸化炭素と水とに分解させることです。
そのことで、初めて脂肪の蓄積量の低下つまり「減量」が可能となるのです。
「燃焼」というのは、「代謝」ということです。いくら、食事制限をしても、それ以上に代謝が低下してしまうなら、脂肪は燃焼されずダイエットにはなりません。食事制限によるダイエットは、必ず「もうそれ以上は無理」という壁につきあたりますが、それは代謝の方がダウンして「もうそれ以上の脂肪の燃焼は無理ですよ」という体のサインなのです。
ですから、正しいダイエットとは、体の代謝を高めながら(落とさないだけでなく)行うものでなければなりません。

基礎代謝を維持し高めるためには、マグネシウムやカルシウム、鉄といった代謝関連ミネラルも必要です。
体の中にこれらのミネラルを保持するためには、食事から十分摂取することです。しかし体から「喪失させない」ということはもっと大切です。

これらのミネラルが最も失なわれやすいのは実は「汗」なのです。
汗は尿と異なり排泄物ではありません。恒温動物の人間は、体温を一定に保つことがあまりにも大切なため、ミネラルなどの体の貴重な成分を犠牲にしてまで「泣く泣く」汗をかいているのです。ですから汗は汗腺の「涙」なのです。
このような貴重なミネラルが特に失われやすい汗のかき方というのがあります。それが「悪い汗」であり、「太る汗」なのです。

逆に言うと「よい汗」とは、あまりミネラルを喪失しないように、必要最低限の量で体温を下げることのできる汗のことです。
それは、どのような汗かというと「さらさら」した「小粒」の汗なのです。
体温の低下は、汗が蒸発した時に気化熱を皮膚から奪うことで可能なのですから、蒸発しやすい汗つまり「小粒でさらり」とした汗をかけばいいのです。

逆に、大粒でダラダラ流れる汗は、蒸発しにくくムダ汗です。しかもそのような大粒の汗には、貴重なミネラルが一緒になって大量にでてくるのです。
体温を下げるたびに、代謝に必要なミネラルを喪失してしまうのですから、代謝力=燃焼力の低下は避けられません。
そのような「太る汗」をかいている人が、ダイエットに成功するわけがありません。

そこで、どうしたらよいか?
答えは、大粒の汗を小粒にすることです。
実は、汗の成分には、水の表面張力を下げて、水玉を小さくする「界面活性物質」が元々含まれているのです。
だらだらと流れる汗をかく人は、この界面活性物質が不足しているのです。

そして、このような水の表面張力を下げる、表面活性を示す物資が、リン脂質の「レシチン」という物質なのです。その中でも「リゾレシチン」という化合物は非常に強い界面活性をもちます。
レシチンを多く摂取することは、小粒でさらりとした効率よい良い汗をかくことにもなるのです。

リン脂質は元々、生体膜の構成成分ですから、新陳代謝の盛んな汗腺のような腺組織に必要なものですので、汗腺機能を高めるためにもレシチンは必要です。

レシチンが多く含まれているのは大豆です。
ですから、豆腐や納豆などを多く含む食品はおすすめです。大豆にはイソフラボンという発汗を調節してくれる物質も含まれていますので、良い汗をかくには大豆食品は非常に有効です。今は「リゾレシチン」が含まれたサプリメントも販売されています。

レシチン等のリン脂質はまた神経細胞の表面膜の構成成分でもあり、皮膚の温度センサーから視床下部の体温調節中枢への伝達や逆に交感神経からの汗腺への発汗指令等、自律神経の働きも高めることにも役立ちます。


悪い汗が太る汗であることは分かりました。
それでは大粒の太る汗をかくから痩せれないなら、汗をかかない(かきにくい)人は痩せれるのかという疑問が残ります。

実は汗をかきにくい人も太りやすいのです。

人間は、食物から代謝によって得たエネルギーで活動しますが、代謝で出たエネルギーで仕事に消費されるのはわずか三分の一くらいで、残りは全て「熱」に変わるのです。その熱を放出できない場合には体内にこもりうつ熱や熱中症になってしまいます。
「うつ熱」にならないように熱を体外に放出しているのが汗ですから、汗は体が安心して「代謝」ができる保証人のようなものです。車のエンジンに冷却装置が必要なのと同じです。

ところが、汗をかかない状態が持続したらどうなるでしょうか。冷却装置が故障した車では、いままでと同じスピードで走ったらエンジンが焼け切れてしまうでしょう。
しかたなくエンジンの回転数を落として運転しますね。
人間の代謝とて同じです。
代謝をして熱が出ても、冷却装置である汗腺が働いてくれないなら、体の方はうつ熱になりたくありませんから、しかたなく代謝の回転数を落として熱をできるだけ出さないように自衛的に対応するでしょう。
つまり、汗をかかない(かけない)状態が続くと、人間は低代謝状態になるということです。
先の説明の通り、低代謝が原因の冷え性の人が太りやすいのはこのためです。
ですから、冷え性の人がダイエットをするならまず「汗腺トレーニング」などで汗をかきやす体質にすることが大切です。


現代社会では、エアコンの普及などで、うまく汗をかけない人が増加しています。
腋や手のひらなどの局所の多汗症の場合には、生活の支障になる場合もありますから、抑えることもよいでしょう。
しかし、体全体の汗は、人間が生きていくための大切な生理的発汗です。
いい汗をかいて健康的な生活をこころがけたいものです。