体臭対策

自分に合った体臭ケア

ココアの便臭軽減効果

ココアの便臭軽減効果については、介護の現場ではもうかなり前から知られていました.
私が「介護・臭いで困っていませんか」という本を出版するとき取材した介護施設の看護婦さんの何人かがココアの消臭効果については経験的に「ある」と答えていました。

実際に、山川病院の看護婦さんが、40人の高齢入院患者に一日2回のココアを飲用していただき、看護スタッフが官能検査(嗅覚的に判定する方法)で10日後に便臭を比較したところ、「減少傾向」が認められ、病院職員から汚物室の「臭気が低下した」との報告があり、あきらかな臭気抑制効果が認められた、というレポート(総合ケア・2002年7月号、石井、川島)もあります。

レポートでは同時に、便の性状も下痢、軟便、あるいは硬便傾向だったものが、通常便に近くなるまで改善傾向が見られたとして、ココアがヒトの腸内環境になんらかのプラスの作用をおよぼしているのではないかとしています。

ココアは、みなさんご存知のように、カカオの実を炒って、種皮と胚芽を取り去った後に残る「胚乳」を粉末にしたものです。高タンパク・高脂肪食品で、ビタミンA、B群、Eなどのビタミンや、ミネラルが豊富ですが、なんといってもその特徴は、食物繊維の「リグニン」が豊富なことです。

ココアがコーヒーに比べて、飲むと濃度が濃く感じるのはこの食物繊維(リグニン)が多く含まれているからでしょう。

ココアの便臭抑制効果はこの食物繊維の「リグニン」の働きなのです。

リグニンは次の二つの方法で便臭を改善します。

まず第一は、腸内でのニオイ成分の産生を抑えることです。

腸内では食物のタンパク質や脂肪を、主に悪玉菌(大腸菌、腸球菌、ウエルシュ菌)が分解して、インドール、スカトール、硫化水素、アミン、アンモニア等の腐敗臭の強いニオイ成分に分解します。
一方、ビフィズス菌などの善玉菌は主に炭水化物を分解して、ニオイの少ないメタン、二酸化炭素、水素等に分解します。

ですから、腸内で悪玉菌が優勢なら、ニオイ成分がたくさん生成され臭い便になり、善玉菌が優勢ならニオイ成分が少なく、臭わない便となるのです。
赤ちゃんの便は臭くないのに、お年寄りの便は臭いのは、加齢により腸内に善玉菌が少なくなり相対的に悪玉菌が増加するからです。

リグニンは、この少なくなった善玉菌を活性化させ元気にする作用があると言われています。同時に食物繊維は、腸菅の蠕動運動を亢進しますから、食物が腸内で停滞して、ニオイ成分に分解される時間を短縮することも便臭の軽減に一役かっています。

第二は、腸内で生成されたニオイ成分をリグニンが吸収して、便とともに腸内から排出することです。

ニオイ成分は、揮発することで空気中を浮遊して鼻粘膜に付着して臭うのです。 
ニオイ成分が便の構成物である食物繊維の中にトラップされたまま排便されたなら、便も臭くないのです。

以上のように、ココアのリグニンは、ニオイ成分の産生を抑え、また産生されたニオイ成分をすみやかに排出することで、便臭を消しているのです。

しかし、わたしはリグニンには第3の「体臭予防効果」があるとみています。

それは、メカブやモズクの「フコイダン」と同じような「腸肝循環」の改善を通じての体臭予防効果です。

最近、「便のニオイ」だけでなく、体から汗とともに「便臭」がするという訴えが多くみられます。

私は、これは腸内で生成されたニオイ成分が肝臓で解毒無臭化されずに、呼気や汗とともに体臭として出ているのではないかと考えています。

フコイダンの、体臭予防効果は勿論ニオイ成分の産生抑制と排出作用もありますが、同時に腸菅粘膜を健康に維持して、腸肝循環を活性化させ、ニオイ成分を無臭化する機能があるからです。
同様な効果が、ココアのリグニンにもあるとすれば、、腸肝循環が効率的に回転して、嫌なニオイ成分は、体臭(便臭)として体から放出される前に、便とともにトラップされるか、肝臓で消臭されることになります。

この部分についてまだハッキリとしたことはわかっていませんが、便臭で悩んでいる人は、朝食のとき、コーヒーの代わりにココアを、そしてメカブやモズク入りの味噌汁を飲んで出かけるのを習慣づけするのもよいのではないでしょうか。


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